Abstract
- 準備
- iTunesとQuickTime(およびそれらに付随するデバイスドライバなど)をインストール済みのPCに、以下のフリーソフトをインストールする。iPhone/iPadをJailBreakする必要はない。
- iExplorer(旧名:iPhone Explorer)...PCからiPhone/iPadのファイルにアクセスするソフト
- plist Editor for Windows(Freeware)...プロパティリスト(plist)ファイルをWindows PCで編集するソフト
- X-Finder...軽量ファイルマネージャ。Windows 7で作業する場合は必要ない(はず)。
- 手順
- 以下の作業を行なう。
準備
Windows PCで作業を行なうには、iTunesとQuickTime関連のデバイスドライバやサービスに加えて、以下のフリーソフトが必要だ。iTunesとQuickTimeをインストール済みのPCに、それぞれインストールしておこう。
作業を行なうWindows PCは、iPhone/iPadをiTunesで管理しているPC(いわゆる母艦)である必要はない。なお、母艦以外で作業する場合は、iTunesのデバイス設定画面でiOSデバイスを自動同期しない設定にしておこう。
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iExplorer (旧名:iPhone Explorer)
PCにUSB接続したiPhone/iPadのファイルを、フラッシュデバイスのように扱えるフリーソフト。Windows版とMac OS X版が用意されている。作業の最初にiPhone/iPadから設定ファイルを取り出し、最後に書き込むために利用する。今回の設定ファイルはJailBreakしなくても読み書きできるAppsディレクトリ以下にあるため、iPhone/iPadをJailBreakする必要はない。
Windows Vistaでは、「管理者として実行」しないとAppsディレクトリ以下にアクセスできなかった(Windows 7では昇格しなくてもアクセス可能)。このほか、時間経過が原因でディレクトリにアクセスできなくなることなど、いくつか注意すべき点がある。
ソフトの名称が「iPhone Explorer」から「iExplorer」に変更されたのは、Appleから「iPhone」を商品名に使うなとツッコまれたため(2011年8月)。同時に、アイコンもiPhone風から一般的なスマートフォン風のデザインに変更されている。ところで、変更後の実行ファイル名"
iexplorer.exe
"は、インターネットエクスプローラーの実行ファイル名と完全に一致するのだが、そんな名前で大丈夫か? -
plist Editor for Windows (Freeware)
バイナリ形式のプロパティリスト(plist)ファイルを、Windows PCで編集するためのフリーソフト。設定ファイルの内容はXMLだが、パースを高速化するためにバイナリ形式に変換されており、通常のテキストエディタでは編集できない。plist Editor Pro(有料)もあるが、今回の修正には必要ない。
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X-Finder
インストール不要のフリーな軽量ファイルマネージャ。Windows Vistaで作業する場合のみ、設定ファイルをiExplorerへドラッグ&ドロップするために利用する。Windows Vistaでは、iExplorerを「管理者として実行」する必要があるため、昇格していないエクスプローラーからのドラッグ&ドロップを受け付けないのだ。エクスプローラーを管理者権限で実行するのはかなり面倒なので、別のファイルマネージャを用意して「管理者として実行」する方が簡単だ。
手順
以下の手順で作業を行なう。なお、この作業の結果発生したいかなる損害についても筆者は対応しない。最悪の場合、iBooksを再インストールする羽目になるだろう。また、iBooksがバージョンアップした場合、設定ファイルが上書きされてしまうので、再度同じ作業を行なう必要がある。
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辞書優先順設定ファイルをPCに取り出す
iPhone/iPadをUSBケーブルでWindows PCに接続する。iTunesが自動起動する場合は終了させておこう。
Windows Vistaでは、iExplorerを「管理者として起動」する。Windows 7では、そのまま起動すればいい。左にディレクトリツリーが表示されるので、素早く
Apps/com.apple.iBooks/iBooks.app
ディレクトリに切り替える。なお、iBooks.appディレクトリは多数のファイル(主にPNG形式の画像)を含むため、ファイル一覧が表示されるまでには少し時間がかかる。辞書優先順設定ファイル"
BKDictionaryManager_LanguageToOrder.plist
"を見つけたら、Windows PCの適当なフォルダにドラッグ&ドロップでコピーする。なお、以下のメッセージが表示されてディレクトリが開けなかった場合、iExplorerをいったん終了して再度起動しよう。
This iOS device appears to have reached its limit of connecting to 5 app directories for this session. Please reconnect the device or restart iExplorer to access this directory.
「iOSデバイスがこのセッションで接続するアプリディレクトリの限界(5個)に達したようだ(以下略)」とある。実際には、他の理由でアプリディレクトリへのアクセスに失敗した場合でも、このメッセージが表示される。たとえば、Windows VistaでiExplorerを昇格しないで起動した場合、最初のディレクトリを開く段階でこのメッセージが表示される。Windows 7でも、少し時間を空けてからアプリディレクトリを開こうとすると、このメッセージが表示される。
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辞書優先順設定ファイルを修正する
plist Editor for Windows (Freeware)を起動し(昇格する必要はない)、先ほどコピーした辞書優先順設定ファイル"
BKDictionaryManager_LanguageToOrder.plist
"を読み込む。内容は見ての通りのXML形式だ。<key>ja</key>
以下のarray要素の内容が日本語用の辞書のリストで、末尾にある<string>com.apple.dictionary.PEJ-PJE</string>
が英和・和英辞書のエントリーだ。これを範囲指定してコピーし、<key>en</key>
以下のarray要素の内容(英語用の辞書のリスト)の先頭に挿入すればいい。上書き保存すれば修正作業は完了だ。 -
辞書優先順設定ファイルをiPhone/iPadに書き込む
まず、iExplorerで、修正前の設定ファイル"
BKDictionaryManager_LanguageToOrder.plist
"をゆっくり2回クリックし、(この後の作業で上書きされないように)別のファイル名に変更しておく。たとえば、"BKDictionaryManager_LanguageToOrder_org.plist
"など。この後の作業で何か問題が起きたら、これを元のファイル名に戻せばいいWindows 7では、内容を修正した設定ファイルを、そのままフォルダウィンドウ(エクスプローラー)からiExplorerの
Apps/com.apple.iBooks/iBooks.app
ディレクトリにドラッグ&ドロップすればいい。一方、Windows Vistaでは、iExplorerを「管理者として起動」しているため、昇格していないエクスプローラーからのドラッグ&ドロップを受け付けない。X-Finderなど、エクスプローラー以外のファイルマネージャーを「管理者として起動」し、そのウィンドウから設定ファイルをiExplorerの上記ディレクトリにドラッグ&ドロップしよう。
その後、iExplorerで、修正後の設定ファイル"
BKDictionaryManager_LanguageToOrder.plist
"が存在することを確認すれば作業完了だ。 -
iPhone/iPadで動作確認する
辞書優先順設定ファイルはiBooksの起動時に読み込まれるようなので、修正した設定ファイルの動作を確認するには、実行中のiBooksを一度終了させる必要がある。ホームボタンの2回押しで画面下部に表示される履歴リストのアイコンをホールド(長押し)して赤い禁止マークを出し、iBooksのアイコンの禁止マークをタップして強制終了させよう。
その後、iBooksを再起動し、適当な英語書籍で単語を辞書引きしてみる。これまでの英英辞書ではなく、英和辞典の内容が表示されれば確認作業は完了だ。
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